インプラント治療と
補綴・噛み合わせ
Engagement

歯科治療の目標は咬合回復にあり

歯科治療の目標は咬合回復にあり

インプラント治療だけではなく、歯科治療の最大の目標は咬合回復にあります。
虫歯を修復するのも、歯周病の歯を一生懸命残すことも、健康な咀嚼機能を維持・回復することが生活の質を高め全身の健康に寄与すると考えられているからにほかなりません。
これは、歯科保健の目標の一つに「8020(80歳で歯を20本残す)運動」が掲げられていることからもわかります。

楽しく食事できることが日々の生活の活力になるだけではなく、脳の活性や認知症予防にも直接つながる報告が多くなされるようになりました。インプラント治療は、歯科医療の目的である咬合の維持回復を担う一手段なのです。

咬合の診査・診断と
トップダウントリートメント

咬合の診査・診断とトップダウントリートメント-CT

咬合治療を成功させるためには、的確な診査診断が不可欠です。それを達成させるため当院では「シンラシステム治療」を採用しています。
そもそもは、上下の歯をすべて失ってしまった無歯顎の患者さまに審美性と機能性を確保したよりよい総義歯を作製するために開発されたものでした。現在は、総義歯治療だけではなく、歯周病回復のための全顎的な治療やインプラントによる咬合回復にも応用しています。これを用いることで、歯の顔貌との調和や歯列の左右対称性、逸脱している歯の位置や顎関節の動きなど多くのことを診査できます。
それをもとに最終的なゴールを設定し、そこに向かって治療をすすめる真の「トップダウントリートメント」が可能であると考えています。

インプラント治療においても、手術を安全に執り行なうことはもちろん重要ですが、それと同時に、最終的な咬合状態を予測し、正確な位置にインプラントが埋入されることで適切なインプラント補綴が可能となり、理想的な咀嚼機能の回復につながると考えています。

より精密な診断を
可能にする3D-CT

より精密な診断を可能にする3D-CT

CTとは、X線とコンピューターによって体の断面を見ることができる装置です。従来のレントゲンでは、平面的な撮影しかできませんでした。当院で導入している3D-CTは、その名のとおり三次元的、すなわち立体的に骨や歯など体の内部を撮影することが可能です。視覚的に優れたデータを取り出すことができ、診断がスムーズになります。

また、撮影した画像をすぐにモニターで確認できるので、現像する時間が必要なフィルムのレントゲン装置に比べて患者さまをお待たせしません。さらに、モニター上で患部を拡大したり、濃度を変えたりでき、詳細にわたって患者さまに状態を説明しやすくなりました。

歯と骨の構造を立体的に判断し、治療に役立てます

歯と骨の構造を立体的に判断し、
治療に役立てます

歯科治療では、顎の骨の状態や神経管の位置などが明確にわかっていなければ、安全に治療をすることができません。3D-CTは、歯や骨を立体的に撮影し、その構造を理解するのに役立ちます。骨などに関するデータをより多く引き出し、治療に生かせるようになりました。

インプラント治療では、事前に顎の骨の厚さや高さ、質などを把握していなければなりません。3D-CTで骨を撮影することで、治療のシミュレーションをしやすくなりました。安全なインプラント治療を行なううえでは、欠かせない装置だといえるでしょう。

そのほか、骨のチェックが必要な歯周病、歯根の状態を事前に確認したい根管治療など、さまざまな歯科治療で3D-CTが有用になると考えています。

インプラント術前
CTシミュレーションシステム

-精確で安全な治療のために

精確で安全な治療のために

インプラント術前CTシミュレーションシステムは、3D-CTでの撮影によって得たデータをもとに、患者さまの口腔内をコンピューター上で立体的に再現し、手術のシミュレーションを行なえるシステムです。

骨の中には神経や血管がとおっていて、手術中にドリルやインプラント体によってそれらを傷つけてしまった場合には、麻痺・しびれ・出血などが起こるリスクがあります。

こうしたリスクを回避するため、そして低侵襲な手術を行なうためには、3D-CTによるデータを解析し、インプラント体の長さや埋め込む角度などをシミュレーションしておくことが大切です。勘や手先の感覚だけに頼らずに、より精確で安全に配慮した治療を実現します。

各種レーザーの応用と
骨組織活性

-各種レーザーの応用と骨組織活性

吉野デンタルクリニックではインプラント治療に各種レーザーを使用します。
繰り返し小外科を必要とするインプラント治療においては、侵襲の少ないレーザー治療は大変有効です。
近年は、レーザーによる硬組織(骨)活性も多く報告され、インプラント治療の短縮に大きな期待がもたれています。

デジタルスキャナーの導入
型取りのいらない時代へ

-デジタルスキャナーの導入 型取りのいらない時代へ

歯科治療で多くの患者さまが苦手とするのが型取りではないでしょうか。一度くらいはつらい経験をお持ちのことと思います。現在、インプラント治療においてはデジタルスキャニング(光学印象)を採用しています。

光学印象は、印象採得による負担を軽減するだけではなく石膏模型によるゆがみや誤差を無くすことでより適合した補綴物を削合することができます。現在、すべての患者様に適応するにはもう少し時間が必要ですが、今後は咬合の分析等にも応用できると考え現在開発にかかわっています。

インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
  • 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
  • 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
  • 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
  • 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
  • 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
  • インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
  • 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。

CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用

  • コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
  • 検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
  • 人体に影響しない程度(デジタルレントゲン撮影装置の1/10以下)の、ごくわずかな被ばくがあります。
  • ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。

レーザーを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 虫歯の除去、歯周組織の切開・蒸散、口内炎の凝固層形成、色素沈着の除去などに使用する機器となります。
  • 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 症状によっては、適用できないことがあります。
  • 歯と歯のすき間や狭い部分など、レーザー光が届きにくい部位には適用できないことがあります。
  • このレーザー治療機を使ったことにより、病気が再発しないというわけではありません。一般的な歯科治療を受けられたあと同様に、適切なケアや生活習慣を行なっていないと、病気が再発することがあります。

口腔内スキャナーを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • 光学的に口腔内の印象を採得し、ディスプレイに表示して診療や患者さまへのご説明に使用したり、採得した3Dデータに基づき、補綴物などの設計・製造などに使用します。
  • 口腔内スキャナーを使用して行なう治療で、セラミックの補綴物の作製などは、機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • 印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。